【歯学博士が解説】あなたの歯ぎしりは夜の甘い食べ物が原因?対処方法は?
皆さん、こんにちは!自宅で歯並び矯正のOh my teethです。
「歯ぎしりがうるさいと恋人や家族に言われることがある」
「歯が欠けたり割れたりしたので、歯ぎしりを治したい」
「歯科矯正すると歯ぎしりは治るの?」
歯科矯正を考えているユーザーさんに話を聞くと、歯ぎしりに関するお悩みをいただくことは比較的多いです。咬む力が強いと歯が欠けたり、割れて駄目になることもありますので、できれば歯ぎしりを何とかしたいものです。
実は、歯ぎしりの原因の一つに「夜に甘い食べ物を食べる」ことが考えられています。歯科医師である私も、詳しくは知りませんでした。
ちなみに、歯科矯正をすることにより歯ぎしりの頻度が減るとは必ずしも言い切れません。
この記事では、夜間に甘い食品を食べることがどのように歯ぎしりを起こすのかと対処法について触れていきます。
歯ぎしりで悩んでいる読者の皆さんの参考になれば、嬉しいです。
古川雄亮
大阪心斎橋矯正歯科 院長。歯学博士。東北大学歯学部卒業。九州大学大学院歯学府博士課程(歯科矯正学専攻)修了。日本矯正歯科学会所属。歯医者お悩み.com管理人。直近の研究実績「カンボジアのHIV感染感児におけるCD4細胞数と口腔内衛生管理の関連性について(2019, Scientific Reports)」。代表記事「ボリビアにおける歯科医療の実態とは?」。
目次
甘い食べ物(砂糖)は血糖値の乱高下を起こす
炭水化物(砂糖)が多量に含まれているお菓子のような甘い食べ物は血糖値を急上昇させます。
急上昇した血糖値を下げるために、人間の体は膵臓からインスリンを大量に分泌します。
大量に分泌されたインスリンは血糖値を急降下させます。血糖値の乱高下を「血糖値スパイク」と呼びます。
夜に血糖値が下がる「夜間低血糖」
血糖値が急降下しすぎると、空腹感や冷や汗、動悸などの低血糖症状が出現することもあります。
夜寝る前にご飯やお菓子などの炭水化物を多量に含む食べ物を口に入れると、寝る間に血糖値が下がってしまいます。これを、「夜間低血糖」といいます。
寝る間に血糖値が下がると、身体は血糖値を再び上げようとします。
ストレスホルモンであるアドレナリンやコルチゾールというホルモンが分泌され、血糖値が上昇します。
低血糖は非常に危険な状態です。血糖値が上昇するのは良いのですが、ストレスホルモンの分泌により、副交感神経優位である睡眠中に交感神経優位になってしまいます。
睡眠中に交感神経優位になると、悪夢をみる、熟睡感が得られない、気分が憂鬱になるなどに加えて、歯ぎしりによる顎のこわ張りを起床後に感じるといった症状が出現するようです。
夜間血糖値による歯ぎしりの対処法
就寝前に甘い物を大量に摂取すると低血糖状態になることは誰にでも起きます。
夜間低血糖による歯ぎしりの影響を軽減するためにどのようなことができるのでしょうか?
就寝前の甘い食べ物の摂取を控える
お菓子やカップヌードルなどの炭水化物の多い食品を食べることを止めましょう。
お腹が空いて眠れない場合、スープなどを代わりに飲むようにしましょう。
マウスピースの装着
歯ぎしりの力で歯が割れたり、折れたりすることがあります。
歯ぎしりは夜間低血糖だけが原因ではないので、歯ぎしりを認識している方にはマウスピースによる歯の保護をオススメします。
歯科医院でご自身の歯並びに合ったマウスピースを作ってもらいましょう(医療保険が適応になります)。
ストレスの緩和(運動、マインドフルネス瞑想など)
歯ぎしりの主な原因はストレスです。神経質な方に多く認められます。
日々の溜まったストレスを和らげるために、軽い運動や瞑想などによるストレス解消を習慣にしましょう。
強い歯ぎしりは歯を失う原因に
今回、夜の甘い食べ物が歯ぎしりを引き起こすメカニズムと対処法を紹介しました。
夜にお腹が空くとついつい甘い食品を口に入れたくなりますが、夜間低血糖による歯ぎしりだけではなく、睡眠の質の低下や気分の憂鬱などの症状が現れます。
胃や腸にも大きな負担をかけてしまうため、夜に甘い食品を食べることは極力控えましょう。
本記事に書かれている内容は一般的なものなので、ユーザーさんそれぞれの状況により対応が変わる可能性があります。
Oh my teethは皆さんの歯ぎしりが改善されることを切に願っています。
Have a nice teeth!
余談ですが、歯ぎしりが弱い場合はマウスピース矯正用の薄いマウスピースでも歯ぎしりによる歯の保護に有用です。
ただし、歯ぎしり用のマウスピースが割れるくらい強い歯ぎしりの方はマウスピース矯正前に歯科医院に相談してくださいね。
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